一目 惚れ

週末の吉祥寺は 初夏の強い陽差しの中 たくさんの人であふれていた
 
都心からはなれた 武蔵野のこのおしゃれな街で
若いカップルたちは 人気のお店で食事をし 買い物をし 散策を楽しんでいる
 
この街のスタジオで タンゴのクラスを持って もう15年
そんな人が集まるこの街の週末には もうなれっこになっている
 
ひとごみを かわしながら 自分のペースをくずさぬよう早足で歩いていると
駅前のロータリーから 中道通りに入る手前の ショーウィンドーに ふと気をもっていかれた
 
雑踏のひとのあいだから すこしだけ見えるショーウィンドーに気を惹かれた
 
そこにいた 君に 気を惹かれた のが わかった
まるでボクを さそうような 気が・・・・・・・感じられた・・・・・
 
その店のなかは カラフルなバッグ さまざまなかたちの帽子 や 小物にあふれ
それを手に取るカップル や 友達連れ で賑わい はなやいでいた
その賑わいを見守るように 友人が品物を選ぶのを 待つかのように
君は 店の端の ウィンドーの近くに立っていた
 
その立ち姿は ダンサーのボクがうらやましく思うほど自然でゆったりしていて
その肢体は 細身でありながらしなやかな筋肉をまとい見事なバランスだった
その横顔は たおやかな気品にあふれていた
 
ボクは 店の外から 行き交う人の流れにさえぎられながらながら 君をみつめていた
心をうばわれたといっていいだろう  ぼうぜんと君に心をうばわれていた
 
なんて美しいのだろう  なんて品があるのだろう・・・・・・
 
クールなボクがこんな気持ちになるなんて いったどうしてしまったんだろう???
 
 
どれくらいの時間 雑踏から なにを思い 君をみつめていただろうか
 
ボクは こらえきれず ひとごみをかき分け 店の中に入っていった
まっすぐに 君にむかって
 
そして 君のそばに立った
 
君と一緒に いたい
君と一緒に 街をあるきたい
君と一緒に ふれていたい
そんなことを おもいながら   君の横に立った
 
 
気が付いた時 ボクの指は 君に 触れていた
ハッとボクに 気づいたかのような 君
 
 
そして
 
 
 
ボクは・・・・・・・・・・心をしぼりだすように・・・・・・・・
ボクの気持ちを・・・・告げるように・・・・・言った
 
 
 
 
 
「これ ください・・・・・・」
 
 
一目ぼれして また 自転車 買ってしまいました
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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