トリオ ロスファンダンゴスに関する一考察 その2

私とリリアナさんは 30回近くブエノスアイレスを訪れています
そして毎晩 ミロンガへ行き  明け方まで います
ファンダンゴスも もちろん いっしょに付き合ってくれます
ある晩  人気ミロンガ エル ベソへ行った時
私は ファンダンゴスに
「ミロンガで かかっている曲を よく聞いてごらん
    ミロンガで踊っている人たちを よく見ていてごらん」
と 言いました
ブエノスアイレスのミロンガで踊る人たちが創り出す波
それは  ここでしか感じられません
狭い空間の中で ひしめき合いながら  ぶつかることなく整然と
街の持つエネルギーと同じように カオスと整合の中で
音楽に揺られ  ありったけのエネルギーを ぶつけあっています
この中に身を置いているだけで
知らぬうちに  踊る人のエネルギーが入ってきます
この翌日の ファンダンゴスのサロン カニングでの 演奏は 踊る人たち聞く人たちに
もっともっと と思わせるような  不純物を濾過した水が 身体のすみずみに
行き渡るようなタンゴを与えていました
また ラ ビルータ での セステートミロンゲーロの演奏を聞きに行った時
タンダ別の演奏とハビエルの歌は    踊る人の波を見ながら
目が合うとウインクしながら  エネルギーを操っていました
それを最前列で  凝視し  大騒ぎしていたファンダンゴス
このミロンガでの体験を含む この年のブエノスアイレスツアーが
今の トリオ ロス ファンダンゴスの 基盤となっていったと思います
後年 谷本さんが 「ケンジさん  なぜエルベソで  ああ言ったの?」と聞きました
あの時のあの言葉を 覚えていてくれたのですね
タンゴの神様が 降りてきて  私の口を借りて
ファンダンゴスにより 深く広くタンゴを 感じて欲しかったのだと思います

タンゴは ステージ   レコード  演奏 歌 ダンスとさまざまな楽しみ方ができます
しかし ミロンガで踊る人と レコード演奏を聞く人と 演奏家の嗜好は 一致しません
ファンダンゴスは  演奏家として コンサートでは  聴衆が喜ぶステージを
ミロンガでは 踊る人を 操り 煽りながらの演奏を
そして彼ら自身も ミロンガで踊り  歌も歌い  ミロンガでのDJもやるという
彼らの食欲同様 一頭の牛を  さまざまな部位を さまざまな調理法で食べ尽くすのと同様に
タンゴを 広く 深く  骨の髄までシャブリ尽くし 楽しんでいます
こうしたタンゴの調理方法を 2011年のブエノスアイレスツアーから
自分たちのものとしていきました
私は このツアーのあと
日本に帰った途端 ファンダンゴス疲れから 私は帯状疱疹を患い  入院いたしました
肉体  精神  内臓 に とても過酷な  旅でした
ファンダンゴスはこのツアーで得たものを基として
新たな曲を開拓し  タンダ編成  演奏家編成にして
2013年11月の  ブエノスアイレスツアーで ぶつけて
自分たちの新たな道に確信を得て   CDファンダンゴス5の 製作へと続いていきます
私は このCDファンダンゴス5 を聞くたびに
ブエノスアイレスのファンダンゴスの快進撃を 想いだしています

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なお このツアーの詳細は
リリケンクラブ  ケン爺の ブログ心のともしび ありますので
どうぞご覧ください
http://liliken.club/?p=381     〜

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